お墓の工事してると呪われませんか〜？

墓地工事は呪われる？

石工の経験

さて、今回は

墓地工事をしていた時に起きた出来事、

っていうか、勉強になった話をしてみたいと思います。


石材業を営んでいると、

お墓の工事をする機会が沢山あります。

お墓って怖い？

「お墓」という言葉を聞くと、

故人に対する追悼の気持ちだったり、

先祖に対する敬いの気持ちを連想すると思います。

ただ、同時に

「怖い」とか「気持ちが悪い」

といった感情を持つ方も多いですよね？



私達石工は、徐々にそういう感覚を失ってしまうので、

夜のお墓にいっても、幽霊より人間の方が怖いんですが、

それでも多少の気味の悪さは感じます。

呪われる

呪われませんかぁ？

そんな前置きを踏まえ、


墓地工事をしていると時々面白いエピソードに出くわします。


後ろのシートが濡れていた・・・とかじゃないんで、安心してください（笑


今から２０年ほど前の出来事なんですが、

墓地に訪れた人が、工事中の私に向かって、


「お墓の工事してると、呪われませんか？」

と、神妙な顔で話しかけてきたことがあります。

忙しかったんで、「ああ、大丈夫ですよ」

と、適当に相槌をうっておいたんですが、


後々考えてみると、「面白いことを言う人だ」

という気持ちと同時に

「あの人は、死んで墓地に入ったら誰かを呪うんだろうか？」

とか、

「墓地に対する日本人の価値観には、どの程度の幅があるのだろうか？」

という疑問を持つようになりました。

人間ウォッチング

そこで、その後はさまざまな人たちの

墓地に対する考え方に

少しアンテナを張り、人間ウォッチングしておりました。



で、です。

ずいぶん長いこと調査した結果をここで発表します。

呪われる人と呪われない人

実は職業別の感覚？

実は、「呪われませんか〜？」という疑問を持つ方は

とある職業の人に多いんです。

職業で分けるなんて、意外な分け方だと思うかもしれませんが、


ズバリ！農家の方に多いんです。

「そんなバカな、職業なんかで分かれるはずがない」

と思うでしょうが本当にそうでした。

ハッキリと違います。



そして、

農家の方とは真逆の価値観を持った職業もあるんです。

敬虔な漁師町

その、「農家とは対照的な職業」というのは漁師です。

本当にビックリするくらい、お墓に対する価値観が異なっていました。


「日本人は皆同じ価値観」という先入観がありましたが、

実は全然違います。断言出来ます。


もちろん多少の個人差はありますが、

お墓に対する価値観は職業でかなり違います。

ほんと、勉強になります。

価値観の違い

漁師さんは漁に出ると

「死と隣り合わせ」の感覚があるのでしょう・・・

一見ぶっきらぼうなようで、とても敬虔な方の多い漁師町。

死と隣り合わせになると、人の価値観は変わるのかもしれません。

そんなことを考えるくらいに差があるんです。

漁師と農家の価値観はかなり違います。





墓地工事をしていると、

その土地の人々と

そこそこ長い関わりになります。


表向きの感情を飾っていても、

長い間一緒にいれば本当のところが見え隠れします。

言葉の端々に本音は出るものです。

で、やっぱり呪われる？

自分の先祖も誰かを呪う？

さて、

「呪われませんか〜？」という意見についてですが、

あなたの先祖代々の墓の前で、「このお墓の工事をすると呪われる」

と誰かが言ってたら、ムカつきませんか？

「ウチのおじいちゃんは人を呪うような人間じゃない！」

ってなりませんかね？


ご先祖さまを愚弄していると思うんですが、いかがでしょう？

心霊番組？悪霊？

この経験をした後は、

テレビの心霊特集も、

「人の先祖を勝手に貶めてて悪趣味だなぁ」

と思うようになりました。


勝手に除霊とかしている人たちも、

「やれやれ・・・」です。



最後に私なりの答えを書いておきます。

呪われません。

どうぞ、安心してください。

なぜなら、そこに眠っているのは皆さんのご先祖さまですから。



逆に、手助けされたような、

不思議な感覚を持ったことはあります。


工事中、「あっ、これはヤバイ！」

という場面で、何故か助かったことがあります。

三人で工事していたのですが、四人目の力が加わって助かった感じでした。

そこに居合わせた三人で「助けてもらったぞ！」と驚いた・・・

そんな経験ならあります。


皆さんのご先祖様なんですから

助けてくれると考える方が自然ですよね？



メイソン