こんにちは
ラブわん制作担当のメイソンです。
今日は、石材加工の中でも割と厄介な加工工程
石の研磨について書いてみたいと思います。

私は石材加工の町に生まれました。
父は切削加工、母が手動研磨加工(ポリッシャー)
をしていたのですが、
この組み合わせでお仕事をしている家庭が
定番っていう町でした。

ですので、時々母の仕事を手伝ったりしたのですが、
力の必要な大変な作業だったのを覚えています。

上画像にある研磨機はちょっとだけ本格的な
手動研磨機です。石工が自動研磨機っていう場合は、
本当に何もしなくても全行程を自動でこなす機械を指します。
なので、電動で砥石が回るものでも
機械自体を手で動かすタイプの機械は
手動研磨機に分類しちゃってます。

磨いているのはイタリアの白い大理石
ビアンコ・カララです。
300mm x 300mm の大きさの石を研磨している
ところなのですが、石に当たっている部分が砥石です。
120mmのダイヤセラミカを使っているところです。
この組み合わせで丁度いい砥石の大きさですね。

大理石は御影石よりもかなり柔らかいので、
慣れれば割と磨きやすいです。
黒御影をピカピカにするのが難易度高めですね。
変わったところだと、メノウを磨くのも割と大変です。

趣味で石研磨をなさっている方も、
「石研磨は大変だ・・・」と感じていると思います。
ちなみに、それなりの道具を使っていて
長い経験のある石工にとっても、石研磨は大変です。
ただ、ちょっとしたコツがいくつかあります。



①「手を抜かない」

手を抜いてしまうと、最後に磨き残しのキズが残っていてガッカリ・・・
こんな経験ありますよね。
とにかく「手を抜かない」です。
結局は手を抜かない方が早く仕上がります。
『急がば回れ』ってやつです。

②肝心な番手がある

石磨きの工程で、たとえば
#30~#60~#120~#240~#500~#1000~#2000~#3000番
の工程があったとします。
これ全部を同じ力で同じ時間磨いているのは非効率です。
石種によって差がありますが、
#500番を入念にかけて(#240番の倍位)
#1000番は仕上げのつもりで(さらに#500番の倍位)
つまり、削りやすい工程と、削りにくい工程があるので、
それを知ることが、最大のコツだと思います。
砥石と石種で違うのですが、大体の似たような傾向があります。

③下地はしっかり

②に書いたように肝心な番手はあります。
ですが、
やっぱり下地#60番は大切ですかね。

④番手選びは慎重に

8〜9工程では多すぎるので、
6工程程度にするために
省いてもよい工程はあると思います。
ですが、省く工程の見極めが大切です。
見極めにくい場合は、
工程を省かない方が結局は早く仕上がります。




⑤工程ごとに乾かす

石は乾かさないと砥石の跡が見えません。
ですから、石を乾かして前の番手の跡が残っていないかの
確認が大切です。
これも、何番のキズか?の見極めが難しいんですが、
やっているうちに徐々にわかってきます。
前の番手の跡を残したまま、
次の工程に進むと、
その跡は残ったままになります。
慣れてくると、乾かさなくても良かったりしますが、
時々失敗します(笑

⑥石種が違ったら勉強し直し

同じ石種で培ったノウハウは、別の石種では通用しません。
石種ごとにノウハウを積んでいく必要があります。
でも、大まかな傾向はあるので、
沢山の石種を経験するしかありません。

⑦仕上げ方法を変える

仕上げ方法は、硬いバフを使ったり、
柔らかいフェルトを使ったりしますが、
色々試さないと、一番良い仕上げ方法は分かりません。
フェルトに研磨剤(酸化セリウム)がプロの定番です。
これも石種によって変えます。
力を入れすぎると焦げるので注意が必要です。

⑧細か過ぎる番手にこだわらない

今はとんでもなく細かい番手の砥石がありますが、
ほとんど必要ありません。
その前の番手が疎かになっていては、
全く意味がありません。
細かい番手で仕上げる場合には、
さらに下地が重要になり、
難易度が物凄く上がります。
上手くいくとピッカピカになりますが、
曇ってしまう場合もあるので、注意が必要です。
ちなみに、細かい番手になると
キズが入るような砥石と石種の組み合わせもあるので、
注意が必要です。

⑨良い砥石を使う

プロは良い砥石を使ってます。
ちなみに私は三和研磨工業の砥石が好きです。
プロ御用達で、プロはみんなコレってくらいの定番です。
安い外国製も使ってみましたが、
突然キズの入る番手があったりしてビックリしましたし、
硬い石には使えませんでした。



と、こんな具合です。
まあ、あんまり需要のない記事だとは思いますが、
趣味で始めた人の参考になると幸いです。

メイソン






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